第555話夢じゃない

「心配しないで。私のこと、分かってるでしょ。何をしてるかくらい分かってる。何も起きないわ」

エミリーは二人に安心させるような視線を向けた。

それからジェームズのほうへ向き直ると、「二人きりで話したいんじゃなかったの? 行きましょ!」と言った。

そう言い捨てるように視線を引き、彼の脇をまっすぐ通り過ぎて出口へ向かう。

ジェームズが後を追ったのは、そのあとだ。

目の奥は暗く、表情は複雑なまま、彼はエミリーの背中をじっと見つめ続けた。

このバーには裏庭がある。

エミリーが偶然見つけた場所で、彼女はそこへ連れていくつもりだった。

今は皆、店内で騒いだり酒を飲んだりしている。外に人影はほ...

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